自然出産とは

“妊娠中はヨーガ・散歩・日常生活での運動に取り組み、自然(宇宙)のリズムに合いやすいような柔らかい体と心にしておく。そうした準備を経て出産に臨み、入院してからも自然(宇宙)のリズムに合わせながら対応し(分娩はフリースタイル)、あくまでも現代の産科学の枠中で分娩に導く事”です。
また、分娩経過中に困難や異状が発生し、帝王切開を睨みながら経過を見た場合(あくまでも自然分娩を期待しながら)、あるいは最終的に機械的介入を要したり、帝王切開に終わったとしても、本人が納得しておれば、それも自然出産です。
現在自然出産は誤解されています。
その理由として、
1.自然出産と自然分娩が区別されていない。
2.自然出産あるいは自然分娩といえば、必ず助産院での出産 、水中分娩とか自宅出産などの特殊な出産がクローズアップされる。
3.会陰切開をしないのが自然出産であるといわれる。
4. 何もしないのが自然出産であるといわれている。
しかし、これらはいずれも自然出産の一部分ですが、自然出産のすべてではありません。

出産とは

出産に関しては明確な定義は見当たりませんが、児が生まれることをいう一般用語です。
習慣的に無痛分娩とは言われますが無痛出産とは言わないところをみると、出産は分娩より広い範囲をさしているのだと思います。
つまり、出産とは“分娩が開始する徴候があってから児と胎盤の娩出まで”、あるいは“児が産み出される過程”とも言えます。
いずれにしても、出産とは分娩と帝王切開を含むことになり、そこが出産と分娩の大きく異なる点です。

自然分娩について

分娩とは、日本では“陣痛の間隔が10分になった時から児と胎盤の娩出まで”とされ、アメリカでは“反復的な陣痛を伴った、進行的な子宮口の開大から児と胎盤の娩出まで”と定義されていることから、分娩とは陣痛を伴って経膣的に生まれることをさします。
一般的には、自然分娩とは“さほど困難もなく経腟分娩できる分娩”と理解されていますが、本当は“自然のリズムに合わせながら経膣分娩する”ことをいいます。その誤解が自然分娩あるいは自然出産の議論が深まらない1つの理由です。

フリースタイルとはどんなものですか。

「他の病院は分娩台でお産をしているのに、どうして四つん這いでするのか?」と親にきかれます。

人類や動物が本来行ってきた自然の分娩法であり、自然の理に叶ったものです。「自分の好きな場所で、好きなスタイルで産む」とも言えます。それが現代の医療の進歩に支えられ、良好な結果をもたらすことがわかり始めたということでしょう。昔の悲惨なお産のすべてを否定するのではなく、昔のお産の優れたところは残しておく、とも言えます。
具体的には、四つん這い、座位、側臥位、水中、ぶらさがり、などで児を娩出することです。
もちろん、フリースタイルは娩出時だけでなく、入院してからの全ての行動にも適応されます。
最近当院では、産婦さんが「ここで産みたい」と希望されて、病室での分娩が増えています。
また、分娩台上での分娩よりもフリースタイル分娩が勧められるもう一つの理由は、児心音の低下が少ないことです。児心音が低下すれば、吸引や鉗子の介入が必要ですし、早めの介入を余儀なくされるため、軟産道の裂傷程度が大きくなります。そのために出血も多くなり、創部痛も強くなる傾向があります。

会陰切開に不安があるのですが。

フリースタイル分娩でも会陰切開をすることはあります。しかし、会陰が極度に緊張し、次の陣痛で児頭が出るタイミングで会陰切開をするので痛くはありません。
フリースタイル分娩で会陰切開をするのは、初産婦さんでも2割くらいになり随分減ってきました。その傷の大きさも小さくなり、産後も楽になっています。

破水はわかりますか。

多くの場合は、完全破水ですから尿のようなものが流れ出ますので、すぐにわかります。
しかし、高位破水の場合ははっきりとはわかりませんが、「なんとなくおかしい」とは気がつきます。
いずれの場合でも、風呂やシャワーをしないですみやかに診察を受けて下さい。

どのくらい(おしるしの時)出血があれば、入院の必要がありますか。

生理くらいの出血があれば入院は必要です。粘液性のおしるしだけでは入院は必要ありません。
さらさらした生理様の出血に腹痛(陣痛)が伴う場合は、胎盤早期剥離の場合があり、注意が必要です。

なかなか陣痛がこないのですが

微弱陣痛が2週間続いて、強くなればすぐに生まれた方がいます。
赤ちゃんを信じて、ひたすら運動をして下さい。予定日より14日超過(過期妊娠)になれば注意深く経過を見ていく必要があります。

出産体験談 目次

さまざまなお産の体験談をご紹介します。
これらはほとんど母親学級やマタニティー・ヨーガで話していただいたものです。
ここに掲載させていただいているのはごく一部です。
バックナンバーも購入できますので、受付までお問い合わせください。
一冊300円
発送の場合は別途送料をご負担いただきます。
※6号と21号は完売

▼2回ともアクティブバース
ホームページで探しました

▼さかご
他院で逆子ならば帝王切開だと言われて転医
2人目は逆子でした
2回とも逆子のお産でした
1人目は逆子、2人目は鉗子分娩でした。
初産婦の逆子でも無事産めた

▼経産婦(主に前回非自然出産)
前回は深い会陰の傷で苦しんだ
自然出産と非自然出産
非自然出産と自然出産との違い
前回は分娩台に5時間乗らされた
2回の吸引分娩と過期産

▼高齢初産婦
アクティブ・バースセミナーに参加して決めました
里帰りの高年初産

▼初産婦
吉村先生との出会いがあったお産
高松から今治に通ったお産
他院で安静と言われ、吉村医院を受診した体験談
他院で帝王切開と言われ転医

▼前回帝王切開
前回は安産指導がなく帝王切開になった
初産は非自然出産で帝王切開、2回目は自然出産
前回の非自然出産による帝王切開と今回の自然分娩
前回は逆子で帝王切開でした
骨盤底が開く意味と自然分娩

▼鉗子分娩
前回は鉗子分娩、今回は安産でした
フリースタイル分娩なのでここを選びました
1人目が鉗子分娩でした

陣痛は痛いですか。また陣痛はどのようにくるのですか。

陣痛はつらくて痛いです。しかし、人類が誕生して700万年、あなたの命はお母さん・おばあさんと遡り、28万回前のお産から引き継がれたものです。
あなたのこのお産は間違いなく、28万回目のお産です。自信を持って下さい。
不規則な陣痛(まだ痛くない)から始まり、1~2時間くらいで消えることが多く、それが2週間続くこともあります。陣痛は徐々に強まり、5分間隔くらいになればやや痛みを感じるようになります。
しかし、初産婦さんの場合は3分間隔・5分間隔・7分間隔・不規則間隔、いずれも強くなったり弱くなったりの繰り返しです。
また、陣痛は普通おしるしから始まりますが、陣痛から始まる場合もあれば、破水から始まる場合もあります。