体験談

前回の非自然出産による帝王切開と今回の自然分娩

M.M.

師長:  8月18日に経膣分娩されたMさんにお話して頂きます。
Mさんは、前回、他院で5cmまで開いて分娩停止という事で帝王切開され、今回、妊娠初期では、絶対下から産みたいというわけではなかったのですが、やれるところまでやってみよう……と言う事で、ヨーガ教室の方にも計13回参加されまして、家でも色々散歩とか、体操されて無事に下から産む事が出来ました。1人目のお産の経過はどうでしたか?

Mさん: 1人目の時は、妊娠中ほとんど何もしないままで、散歩をする程度でした。お産の時は、その日明け方の3時頃破水して病院に行きましたが、子宮の開きも良くなくて、夕方ぐらいまでに5cmしか開きませんでした。促進剤の薬とかも飲んだりしたのですが、開かないのでその日はもう寝てくださいと言われました。そうしたら、きれいに陣痛が止まってしまい、朝にはもう痛みもなくて、診察すると、「へその緒が巻いているし、感染もしているので、帝王切開しましょう」と言われ、入院した次の日の夕方に帝王切開しました。

師長: 入院してから、丸1日半ありましたが、どのようにして過ごしていましたか?

Mさん: 廊下を歩いてくださいと言われて、歩いた程度ぐらいです。帝王切開が決まってからは治療や診察もほとんどありませんでした。

師長:  破水に対しての治療や分娩を促すような処置はどうでしたか?

Mさん:  入院した時に、薬を1つ飲みましたが、「何の薬ですか?」ときいたのですが、「さあ……?」って言われて、何の薬かわからない状態で飲みました。それからしばらくたってもう一度聞くと、「抗生剤です」と言われました。それから、夜は、痛み止めの座薬だけもらって寝ました。

師長: シャワーを使うとか、腰を暖めると痛みが和らぐ場合が多いのですが、そういう事はされましたか?

Mさん: 全く無かったです。夜は、赤ちゃんの心音をきいてくれただけで寝ました。

師長: 最終的には、朝5cm開いた時点で帝王切開の診断がついて、帝王切開したのが、夕方ですか?

Mさん: はい。夕方の5時頃でした。

師長: その間はどうされていたのですか?

Mさん:  特には何もしてなかったです。手術の準備と、ベルトを巻いて心音を確かめたぐらいだったと思います。「へその緒が巻いているのと、感染しているから手術しましょう」と説明を受けて不安でしたが、やっぱりきけないというか、先生の言われた通り「そうだから、そうなんだ」っていう思い込みで、手術を待っていました。家族みんなで、「長いね……感染しているっていうのに大丈夫かな?」と心配はしていたのですが……。

師長: 今回は、前回帝王切開という事もあり、妊娠中からしつこいくらい「散歩していますか?体操していますか?」と聞かれたと思うのですが、実際はどうでしたか?

Mさん: ヨーガに通うまでは、ほとんど何もしていなかった状態でしたが、ヨーガに通いだしてから、自分の意識が変わって、上の子がいるので、散歩が出来なかったのですが、でも、それでも10ヶ月くらいになって自分もだんだんと普通に産みたいと思う気持ちも強くなったので、朝起きて、ちょっと30分くらい毎日歩いたりとか、産まれる前のお盆の時は、かなり長い間、坂とか、公園とか、連れて行ってもらって、1人でグルグル歩いて、それで、だんだん張るようになって、そのくらいからです。

師長: しゃがみ込みとかは、お家ではされていましたか?

Mさん: はい、結構していました。最後の方は、腰が痛くなったりとかしてあまり回数は出来なかったのですが、意識的に何か取る時にしゃがみ込むようにはしていました。

師長: 1人目の時はどうでしたか?何か体操とかしましたか?

Mさん: 私、腰痛があったので、そのせいかどうかわからないですが、全くそういう指導は何も無かったです。本当に最後に歩きなさいって10ヶ月になってきいただけで、あとは、全く……。あぐらくらい。それも自分で本を見てです。病院からはありませんでした。

師長:  Mさんが自分で思うに、1人目と2 人目のどこが違っていましたか?

Mさん: やっぱり、意識的に動くように自分でしたのと、ヨーガをして、イメージを自分で作ったんですよ。下から産もうって……。言いきかせたりとか、意識的に開脚したりとかして……。自分の意識が全く違っていたと思います。

師長: フリースタイルで、側臥位・子供の体位・四つん這いと色々と体位を変えましたが、それは、どうでしたか?

Mさん: 最後は、しんどかったです。横向きが一番楽でした。

師長: いきむのも、横向きが楽でしたか?

Mさん: いきむのは、しゃがみ込んだ方が、本当に出るような感じがしました。

師長 : みなさんの方から何かご質問はありませんか?

妊婦A: 立会い分娩ですか?

Mさん: はい。私は、出来ればいいなと思っていたんですが、やっぱりいてくれた方が心強かったです。

妊婦B: 体重はどのくらい増えましたか?

Mさん: 9㎏くらいです。ちなみに前回は7㎏でした。

妊婦C: 帝王切開の傷の痛みは、どんなですか?

Mさん: 結構、吊るような状態はしばらく続きました。ヒリヒリするような感じ。最初の何日かは痛くて、膀胱とかが張ってきても痛いし、わりとつらかったです。やっぱり、今回は楽です。

妊婦D: 会陰切開は、痛いときいたのですが、どうでしたか?

Mさん: 会陰切開したのはわかるんですが、そんなには痛くなかったです。

院長: Mさんの場合は、吸引分娩なので、早めに切開を入れました。普通は、最後の陣痛で産まれる時パチンといれるので痛くないです。その前に入れると痛いです。Mさんは、吸引分娩なので、全開した後、処置の前に局所麻酔をしました。

師長: 最後に、Mさんからみなさんにこれはした方が良い事とかありますか?また、こういった話し合いはどうでしたか?

Mさん: やはり人の話を聞いて、自分もこうしよう、ああしよう、と色々な意見が参考になりました。安産でお産した人はすごく歩いていたりとか、しゃがみ込みをしていたりとか、そういう話をきいていたので、やはり自分もそうしようという気持ちになって、意識的に色々出来ました。
ヨーガはすごく良かったと思います。自然の流れでいったんじゃなくて、気持ちがお産に向かっていったのがわかったので、ヨーガをしたから本当に産めたのだと思います。

師長: Mさんの場合、36週ぐらいになる頃には、赤ちゃんの頭が本当によく下がってきていました。それで、下から頑張りましょう……という事になりました。これは、Mさんが、色々努力した結果だと思います。一生懸命散歩したり、ヨーガをしたり、日常生活を変えたりと意識したからこそ、そこまで、赤ちゃんが下がってきて、結果的には、自然分娩を試みましょう……という事になったのです。人それぞれ違いますが、やはり妊娠中の過ごし方、妊娠中にどれだけ身体を動かしているか、どれだけお産に対して意識をもっているか、という事もMさんの経過を見ていると、とても大切だと思います。

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